絵本「ぼくは、切り株げんた」(文芸社様刊行、どえまつみ様著)の作画を担当しました。
切られて切り株になってしまった「げんた」の物語。
著者の方が実際に見つめ続け、記録に取り続けた切り株をもとに書かれています。
私自身、大きな木が切られるのを見ると寂しく感じる方なので、
最初に文章を読んだときは涙が出そうになりました。
また、実際の切り株の写真や整理された資料をいただいて、著者の方の熱量を感じました。
主人公の「げんた」は切り株で、手も足もなく、
あまり動きをつけられないので、
画面が単調にならないように、
また、表情や少しの動きだけで「げんた」の気持ちが伝えられるようにと、
いろいろと工夫しました。
「なるべく手描きに近いタッチで」というご依頼だったので、
水彩のように淡く優しい雰囲気が出るように色を塗り重ねました。
絵本の雰囲気に合った優しい絵がかけたかな、と思います。
絵本の作画を担当させていただくのはこれで3冊目。
アマゾンにレビューがついたのを見て、
小さくても、ささやかでも、何か少しでも
知らない子どもたちの中に残るのかもしれないな、と
嬉しいような、ちゃんと頑張らなきゃいけないな、と背筋が伸びるような
そんな気持ちになりました。
ありがとうございました。
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